さようなら。
「でもさぁ」

美加がおっとりと話に

意見を出した。

「テツ先輩は優花のこと

大事に想ってるから

がつがつしてないんじゃない?

あの日の浜谷先輩の元カノに

絡またのもあったじゃん?

いろいろあったからこそ

大切にしてるんだと思う」

ちょっと沈黙があって

みんな考えてるみたい。

別にそんなに気にしてる

とかじゃないのに。

「美加が言ってることも

一理ある、と思う」

「奪っちゃえばいーじゃん」

綾美と栞……

言ってること正反対。

「別に気にしてないから

考えないでいいよ

てか、お昼休みとかは

哲が来るからあとでね」

「うん

でももう来てるよ?」

教室のドアの方を見ると

ちょっと不機嫌そうに

哲が待っていた。
< 57 / 150 >

この作品をシェア

pagetop