さようなら。
自分でも少し

言いすぎたと思った。

別にふられたことへの

腹いせじゃない。

俺は本音を言っただけだ。

だけど真央は泣きじゃくって

俺を憎むように睨んでいた。

もう今までの俺じゃない。

未練がある俺じゃない。

俺には、好きな人がいる。

『……じゃあな』

真央に背中を向けて

駅に向かって歩いた。

そのすぐあとに浜谷が来た。

というより追いかけて来た。

浜谷が俺の肩を叩いたのと同時に

『あんたなんか大嫌い!

もうどっかいっちゃえ!

自惚れんな!!』

真央の声が聞こえた。
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