さようなら。
あたしはバスの近くで

野球部が来るのを待っていた。

一時間くらい待っていて

話し声がだんだん近づいてきて

野球部のみんなは笑顔で

堂々と歩いてきた。

あたしに浜谷先輩が気付いて

『優花ちゃ〜ん!』

名前を呼んできた。

『あ……お疲れ様です』

なんて言ったらいいのか

すごく困って『お疲れ様』なんて

嫌味に聞こえたかもしれない。

『あんま気遣わないで

俺らが負けたのは

相手が俺らより強かったから

俺たちは精一杯やった

それだけなんだよ

これからあとのことは

新チームに託した!』

真っ直ぐ迷うこともなく

生き生きとしていた。
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