さようなら。
頼られることは重荷になるし

頼るのは自分が弱いということ。

どちらも嫌だったはず。

こんなこと言ったら不謹慎だけど

哲の弱さが、頼られることが

すごく嬉しくて

信頼されてることに安心する。

『優花……ごめん

……ごめんな』

ひたすら謝ってくる。

哲は悪くないでしょう?

そんなこと言われたら

胸が痛くなるよ。

『謝る必要なんてないよ

無理しないで……

あたしを頼ってもいいから

頼られて潰れちゃうほど

あたしは弱くないから……』

言った瞬間哲はほんの少し

肩を震わせていた。

『……ありがとう』

最後に言って

バスに乗り込んで行った。
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