さようなら。
そして今に至る。

あれから五日が経った。

あのときの暑さが嘘のように

冷え込んできた夏の終わり。

哲からの連絡はまだない。

宿題も手につかず

美加たちとも遊んでない。

哲が落ち込んでるのに

あたしだけが楽しんで

そんなのダメだと思う。

あぁ〜……心配……

「優花〜

掃除機かけるから部屋出て」

「はーい……

ちょっとお散歩してくる」

あたし、哲の力になれない。

あたしは支えてもらうばかり。

でも支えるどころか

励ますこともできない。

もし、哲が離れていったら

あたしは本当に用無しだ。
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