─約束のRing─
あれから自転車は
5分くらい走り続けて
目的地についた。
『綺麗だろ?』
『うんっ
綺麗!!』
そこは
満開の桜の木が
トンネルみたいに
なっていた。
『俺からの
入学祝い!!』
そう言って
ニカッと八重歯を
だしながら笑う
幸紀斗くんを見て
心がドキって
音をたてた。
『…ありがとう』
『おうよっ』
幸紀斗くんの
ハニカム横顔を
見ながら私は
もう一度小さい声で
『ありがとう』
って呟いた。