─約束のRing─



『う…うん…』



私は優人くんが
泣き止むまで
背中を擦り続けた。



初めて優人くんの
弱さを見た気がした。



────……



キーンコーン
カーンコーン…



1時間目の終了を
告げるチャイムが
鳴って優人くんは
顔を上げた。



『ははっ…
俺、何で泣いてんだろ?
優花ちゃん、
ごめんなっ』



そう言って
笑った優人くんの
笑顔はいつも通りの
ヒマワリみたいな
笑顔だった。




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