─約束のRing─
『へぇ〜っ
すごい似てるね!!』
そう言うと、
尚は苦笑いしながら
『よく言われる。』
と言った。
『優人くんって
優しいね!!
尚も優しいし!!
兄弟2人して優しい』
『兄貴が優しいのは
優花にだけだよ』
ボソッと尚が呟いた。
『えっ?
何て言ったの?』
尚が呟いた
声は私に届かなかった。
『ううん
何でもないよ』
『そう…?』
私がそう言うと
尚は悲しそうな
瞳で私を一瞬だけ
見た後黒板に
目をやった。
尚の呟いた
声が私に
届いてたなら
私は優人くんを
救えてたのかな──…