─約束のRing─
校門にいる2人に
溢れ出している涙を
気づかれないように
私は通り過ぎようとした。
──ガシ…ッ
いきなり
腕を掴まれて
私は振り返った。
『優花、委員会は?』
そこには
幸紀斗くんがいて
『あ、なくなった…』
『じゃあ一緒に
帰ろうぜ!!』
私は幸紀斗くんの
腕を振り払って
『ごめん…
寄るとこあるから…
それに、愛梨さんを
送ってあげたら?』
そう言って
私は嘘の笑顔を
幸紀斗くんに見せた。