─約束のRing─
ムリして作った笑顔。
悲しい笑顔。
痛い笑顔。
なんだか自分が
なくなって
いっちゃってるよ。
『でも優花
傘もないのに
雨の中帰ったら
風邪引くだろ。』
心配してくれる
優しい幸紀斗くん。
その優しさは
幼馴染みだから?
『いいから…っ
1人で…帰れるから…』
私はそう言うと
雨の中走り出した。
涙が雨に隠されて
泣いていても
わからなくなっていた。
ここなら素直に泣ける。
痛い。
苦しい。
切ない。
『ずず…っ…うー…』
どんどん涙が
溢れてくる。
私は人目も
気にせずに
ずっと泣いていた。