─約束のRing─



尚は頷いた
私を見て
ゆっくりと
話し始めた。




『兄貴の元カノは
鈴山 姫華っていう
名前だった。』




名前も…似てる。




私はコクンと
頷いた。




『兄貴は
中学2年の時に
姫華を好きになったんだ』



『……』




私はとにかく
話が句切れるたびに
頷いた。




『でも兄貴が姫華を
好きになった時、
姫華にはもう恋人が
いたんだよ』




『……』




優人くんの
片想いだったんだ…




『兄貴は
恋人がいる姫華を
諦めかけていた』




諦め…かけていた?




『な…んで?』



私はやっと
でた声で
尚に聞いた。




< 256 / 485 >

この作品をシェア

pagetop