─約束のRing─
『姫華が見せる
素直な顔は…
恋人だけだったから』
──ドクン…ッ
私と同じ
本当の姿が
見えない。
『兄貴は姫華に
素直にいてほしいから
笑っていてほしいから
兄貴は姫華を
困らせるような
ことだけはしたくない
って諦めかけていた。』
私のすべての
気持ちが優人くんの
気持ちと重なっていく。
優人くんの気持ちが
痛いほどわかる。
『……』
『兄貴が忘れようと
必死だったときに
姫華は兄貴に
ある相談をしたんだ』
ある…相談?
『その相談が
兄貴を変えたんだよ』
いったい…
その相談に
何があったのか…
それは想像を
越えるものだった。