─約束のRing─




抱き締めたときの
尚はいつもと違って
小さく震えていた。




それでも尚は
話すことをやめなかった。




『俺も病院に
ついていって
姫華が即死だって
聞いたとき…
目の前が見えなかった』




『……っ』





『兄貴は…
人目も気にせず
病院の中で
叫んでた…』




尚の涙は
止まることを
知らない。




『それからの
兄貴は学校も
行かなくなって
毎日ただ座って…
ボーッとしてた』




『…ん』






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