─約束のRing─


でもね…
私以外の誰か
1人をこんなにも
好きになったのは
幸紀斗くんが
初めてだったから。




好きという気持ちを
知ってしまったから。



もう戻るなんて
できないよ──…




『尚…』



『兄貴はお前を
泣かしたりしないと思う』


尚は真っ直ぐな目で
私を見つめた。



『……ん…わかってる』



私は頭が
混乱してしまって
尚に



『少しだけ抜ける』



と伝えて
教室をあとにした。







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