─約束のRing─



『ついたぞ』




幸紀斗くんが
そう言って
私は目を開けた。




すると桜のトンネルは
もうそこにはなかった。




暖かくなって
桜が散って
桜が咲いていたはずの
木たちは緑の葉を
身につけていた。




私はその時
時間がすごく
経ったんだと
実感した。




『……』





『……』




お互い無言で
沈黙が続く。






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