─約束のRing─



『なんで…ここに
いるんですか?』



私は涙を堪えて、
でも震えた声で
聞いた。




『んっ?あっ
尚人に用があったからさ』



優人くんは
そう言ったあと




『俺、あと行くよ
じゃあなっ』



『あっ、はい』



『じゃあな、兄貴』




それぞれ挨拶を
返す尚と真美ちゃん。




私はなんだか
返せない。



下を向いている
私を見兼ねた
優人くんが
私の顔を覗き込んできて




『優花…じゃあな?』



と微笑んだ。



私は慌てて



『あっはい!!』



と返した。










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