─約束のRing─



──カチャ…



トイレに入って
すぐ電話に出た。



『はい、もしもし』



『あっ優花か?』



幸紀斗くんの声は
焦っているように
聞こえた。



『うん、そうだけど…』



『あのさ、優人
見なかった?』



話が読めない。



『あっうん
さっき学校で見たよ』



そう言うと幸紀斗くんは
食いつくように



『本当に!?』



と聞いてきた。



『う、うん…
何かあったの?』



『優人が
いなくなっちまう…』




幸紀斗くんは震えた
声で息切れした声で
泣きそうに言った。





頭が真っ白になった──…






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