─約束のRing─
過去に押し潰されそうな
優人くんの震えている手を
私はそっと握り締めた。
優人くんは再び
口を開き話し始めた。
『俺は深い
眠りに落ちていた。
姫華も疲れ切っていたから
夜に目を覚ますことは
ないだろうと思っていた。
俺は次の朝
目を覚ますと
隣にいたはずの
姫華がいなかった…
俺は家の中を
探しまわった。
でもいなくて…
尚人に聞いたら
【ドアのしまる音がした】
って言ったんだよ。
俺はすぐに
姫華だと思った。
そう思ったときには
俺の足が勝手に
走り出していた。
とにかく姫華に
会いたくて…