─約束のRing─


──キキィー…ッ

バンッ……──



そんなブレーキの音と
鈍い音が私の頭を
いっぱいにした。



尚から聞いたときも
同じ音が頭の中で
響いたのを今でも
覚えてる。




『気づいたら
俺の目の前には
小さな体が赤く染まって
血の海が広がっていて…




一瞬だった。



全てが一瞬だったんだよ…



ちょっとの間の
幸せも



姫華の温もりを
感じていたのも



姫華の息が
なくなったのも



姫華が解放された
瞬間も…




全てが一瞬だった…











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