─約束のRing─
『ご、ごめんなさい…』
私は心配させてしまって
すごく走りながら
私たちを探していた
幸紀斗くんにたいして
謝った。
『いなくなっちまったかと
思ったんだぞ!!』
幸紀斗くんは
まだ怒ってる。
でもわかってる。
心配してるから
怒ってくれてるんだよね。
『ん…ごめんなさい…』
私は気持ちが
いっぱいっぱいになって
気がつけば止まりかけていた
涙がまた頬を伝っていた。
『今から…
そっち行くから…』
『…うん…っ
わかっ…た…』
幸紀斗くんは
それだけ言うと
電話を一方的に切った。