─約束のRing─
一夜の奇跡
幸紀斗くんは
私が泣き止むまで
ずっと包み込んでくれていた。
『そろそろ帰るか?』
そう言われて
ふと公園の時計を見ると
もう次の日になっていた。
『今日に…なっちゃった…』
私がポツリと呟くと
幸紀斗くんは微笑んで
手を差し出してきた。
『うん…帰んなきゃ』
そう言って
私は差し出された
幸紀斗くんの右手を
ギュッと握った。
幸紀斗くんと私は
公園を出て家に
向かって歩き出した。
しばらく歩くと
私の家が見えてきた。
まだ…一緒にいたいな…
そんな願いも
神様は叶えてくれなくて
あっという間に
私と幸紀斗くんは
家についた。
私はずっと繋がっている
手だけを見ていた。