─約束のRing─
2人並んで
ブランコに座った。
『……』
『……』
──キィー…キィー…
お互い何も
喋らなくて
ブランコを漕ぐ
音だけが
寂しく響いていた。
『優花…』
10分くらいして
幸紀斗くんが
口を開きいつもの
大好きな声で
私の名を呼んだ。
でも…
その声は
どこか寂しそうで
今にも消え入りそうな声だった。
『うん…?』
私は心配になって
不安そうな声で返した。
すると幸紀斗くんは
いきなりガバッと
私を抱き締めて
ギュッと力を入れた。