─約束のRing─



幸紀斗くんが
帰って私は
1人でリビングにいた。



さっきまで
会っていたのに
今すぐ会いたいと
思ってしまうのは
やっぱり好きだから
なんだろうな。



そんなことを
思っていた時だった。



♪〜♪〜♪



ケータイの着信音が
鳴り響いて私は
急いでケータイに出た。



『あっ優花?』



ケータイの
向こうから
愛しい人の
声が聞こえる。



ケータイの向こうに
あなたはいるのに
見えないなんて
寂しすぎるよ。



幸紀斗くんが
東京に行ったら
こんなふうに
声しか聞けないんだろうな…



まただ…



そんなことを
考えただけで
瞼の奥が熱くなる。



『……っ』



泣いちゃダメだよ…私。



大丈夫でしょ?



ほら…



『うんっそーだよ!!
どうかした?』



私は明るい声で
そう聞きかえした。



『あー…うん
あのさ、明日
隣の街で夏祭りが
あるんだって。
だから空いてたら行かね?』



夏祭り…?



私の返事は
決まってる。



『うんっ行く!!
行きたい!!』



私はケータイを持ったまま
身を乗り出した。











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