─約束のRing─



──カランカラン…



下駄を鳴らしながら
しばらく歩くと
前方から賑やかな
声や音が聞こえてくる。



『あっ』



前には出店やら
お神輿やらと
たくさんの人で
賑わっていた。



たくさんの出店が
並ぶ中を2人で
通っていく。



でも人がいっぱいで
何度も手が離れそうになる度
幸紀斗くんは
強く握り締めてくれた。



私たちの横を
女子高生の団体や
たくさんのカップルが
通り過ぎていく。



みんな幸せそう…



そんなことを思った私は
幸紀斗くんの背中を
見つめた。



するといきなり
幸紀斗くんが
振り返るものだから
私はバッと顔を
背けた。



『優花、リンゴ飴あるぞ
食べるか?』



幸紀斗くんが
リンゴ飴の出店を
指差しながら
私に聞いてきた。



私は



『うんっ』



と大きく頷いて
笑った。











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