─約束のRing─
左手の薬指に
ヒンヤリとした
冷たさが伝わってきて
『目、開けて?』
て言われた私は
ゆっくりと瞼を上げた。
すると私の薬指には
『え…嘘…』
綺麗なリングが
はめられていて
私は目を疑った。
『約束のリング』
そう言って幸紀斗くんが
自分の左手を見せてきて
よく見ると幸紀斗くんの
薬指にも私と同じ
リングがはめられていた。
『約束の…リング?』
私が聞き返すと
『俺と優花は
繋がってる。』
と言って笑った。
どうしよう…
涙が次から次から
溢れてくる。
そんな私の涙を
幸紀斗くんが
優しく拭ってくれる。
リングには
【−OneLove− for you】
“1つの愛を君に捧ぐ”
と彫られてあった。
遠くからは
賑やかな人の声と
花火の音だけが
聞こえていた。