─約束のRing─
気がつけば
もう駅についていて
私と幸紀斗くんは
お互い一言も
喋らずにただ
ベンチに座って
手を強く…
強く握り締め合っていた。
どんどん過ぎる時間。
『……』
『……』
──リリリリリリリ…
【間もなく電車が
発車いたします。
危険ですので
お待ちのみなさまは
黄色い線より内側に
お寄りくださいませ。】
駅にアナウンスが流れて
幸紀斗くんは
ゆっくりと立ち上がった。
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