闇夜の数だけエゴはある
俺は何度も野須平の顔面を幹に叩きつける。

衝突音は次第に湿った肉のぶつかる音へと変わっていく。

「僕の獲物だ?」

グヂャッ!

「眠たい事言ってんじゃねぇぞ」

グヂャッ!

「獲物は獲物だ」

ドヂャッ!

「誰がいつ狙いを定めてようが関係ない」

ブジュッ!

「遭遇した瞬間」

ゴヂャッ!

「その獲物はそいつのものになるんだ」

グヂュッ!

「てめえが梓の純潔を奪い損ねたのは俺が悪いんじゃない」

グヂャッ!

「通り過ぎた目の前の獲物の喉笛をすぐに噛み切らなかった、てめえのミスだ」



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