闇夜の数だけエゴはある
「もう…いいです…武羅人…」

そんな不可解な言葉が発せられる。

「え…?」

見ていた私が思わず声を上げていた。

それはどういう意味?

思わず問いかけたくなる。

そして問うよりも早く。

「!?」

武羅人は儚から離れ、彼の目の前に跪いた。

「頚動脈の止血の為とはいえ、無礼を働いた。許してくれ、『我が主』」







その武羅人の首筋には、儚が最初に背後をとった瞬間につけたのであろう、彼女の咬み痕が残されていた…。





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