闇夜の数だけエゴはある
まぁ、今は気丈に反抗しているようだけど、長くはもたないだろう。

せいぜい三日程度。

彼女は挫折や敗北に慣れていない分、陥落は早いと見ていた。

私のように長い間泥を啜って生きてきた者と違い、足蹴にされる事に慣れていない。

近いうちに私の足元にひれ伏すだろう。

「全くお前という奴は」

武羅人が苦笑する。

「愛らしい無垢な容姿をしていながら…」

「そうですか?」

私は武羅人が言うように、愛らしく無垢な微笑を浮かべた。

「一皮剥けば、人間だって亜吸血種だって、どす黒い欲望の塊です…違いますか?」

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