闇夜の数だけエゴはある
第八夜
武羅人
重苦しい鉄扉を開く。
まず最初に目に飛び込んでくるのは、汗と白濁に塗れてぐったりとした、全裸の女。
端正な顔も、キメ細やか白磁の如き肌も、絹糸の如き漆黒の髪も、何もかもが汚れている。
娼婦か、物乞いか、或いは屍か。
そう見紛うほどの姿だった。
壁から吊るされた鎖によって両手を繋がれているのだから、尚更である。
杖縁邸…いや、今は出碧邸の地下室。
俺と儚の間では『檻』で通っている。
かつてのこの屋敷の主、杖縁梓をここに監禁し、毎日毎昼夜責め苦を与え続け、今日で三日目。
儚の予想通り、梓は精神的にも肉体的にもかなり疲弊していた。
特に精神の方は相当に消耗しているようだ。
陵辱による陵辱。
蹂躙による蹂躙。
これまで杖縁家の当主、令嬢として扱われていた自分が、一転して物以下の扱いを受け、穢しに穢される。
最早プライド云々の問題ではない。
亜吸血種としての尊厳すら失い、精神崩壊寸前まで追い詰められていた。
まず最初に目に飛び込んでくるのは、汗と白濁に塗れてぐったりとした、全裸の女。
端正な顔も、キメ細やか白磁の如き肌も、絹糸の如き漆黒の髪も、何もかもが汚れている。
娼婦か、物乞いか、或いは屍か。
そう見紛うほどの姿だった。
壁から吊るされた鎖によって両手を繋がれているのだから、尚更である。
杖縁邸…いや、今は出碧邸の地下室。
俺と儚の間では『檻』で通っている。
かつてのこの屋敷の主、杖縁梓をここに監禁し、毎日毎昼夜責め苦を与え続け、今日で三日目。
儚の予想通り、梓は精神的にも肉体的にもかなり疲弊していた。
特に精神の方は相当に消耗しているようだ。
陵辱による陵辱。
蹂躙による蹂躙。
これまで杖縁家の当主、令嬢として扱われていた自分が、一転して物以下の扱いを受け、穢しに穢される。
最早プライド云々の問題ではない。
亜吸血種としての尊厳すら失い、精神崩壊寸前まで追い詰められていた。