闇夜の数だけエゴはある
けれども、それだから面白いのかもしれない。

完全に手なづけた狗より、迂闊に手を出すと食い千切られるかもしれない犬の方がスリルがある。

そんな狂った思考に至るのも、私が衝動と本能で生きる亜吸血種だからかもしれない。

「さぁ…」

二人の狗を従え、私は踵を返す。

「行きましょう…今夜のうちにあと二十は屠りますよ」







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