闇夜の数だけエゴはある
しとね
「じゃあ聞かせてもらおうかね」
ユラユラと煙管を手の中で弄びながら、私は気だるさを隠さずに言う。
艶は頷いた後、抑揚の無い声で報告を始めた。
「出碧儚は杖縁梓、佐久間武羅人を率いて毎夜亜吸血種狩りを行っています。昨夜で十日連続、殺害した亜吸血種の数は、名のある血族、雑種含めておよそ七十余名にのぼります」
「へぇ」
煙管の動きを止めないまま、私は報告を聞く。
殺害数に関しては大した驚きは無い。
あれだけの面子が揃っているんだ。
その程度の数は当然、むしろ少ないくらいと言える。
それでも。
「奴らいよいよ本気で『楽園』の掌握に乗り出したってとこかねぇ…」
「恐らくは」
艶がまた静かに頷いた。
ユラユラと煙管を手の中で弄びながら、私は気だるさを隠さずに言う。
艶は頷いた後、抑揚の無い声で報告を始めた。
「出碧儚は杖縁梓、佐久間武羅人を率いて毎夜亜吸血種狩りを行っています。昨夜で十日連続、殺害した亜吸血種の数は、名のある血族、雑種含めておよそ七十余名にのぼります」
「へぇ」
煙管の動きを止めないまま、私は報告を聞く。
殺害数に関しては大した驚きは無い。
あれだけの面子が揃っているんだ。
その程度の数は当然、むしろ少ないくらいと言える。
それでも。
「奴らいよいよ本気で『楽園』の掌握に乗り出したってとこかねぇ…」
「恐らくは」
艶がまた静かに頷いた。