闇夜の数だけエゴはある
第十夜
武羅人
梓の背中が遠ざかっていく。
…今の奴は正直言って油断がならない。
あいつは儚の『吸血』を受けていない。
責め苦によって屈服させられただけだ。
俺は心というものを信用していない。
精神ほど曖昧なものはないからだ。
追い詰められればコロリと気が変わる。
極限状態になれば、精神なんてものは脆弱なものだ。
…今の俺がそうだ。
正面からの艶との殴り合い。
この女は正真正銘の化け物でヒトデナシだ。
俺の拳を頬に叩き込む。
しかし艶は無表情のままカウンターの拳を俺の鼻っ柱に打ちつけた。
怯まず顎に拳打。
それでも艶は動きさえ止めずに、俺のこめかみにフルスイングの拳を見舞った。
…今の奴は正直言って油断がならない。
あいつは儚の『吸血』を受けていない。
責め苦によって屈服させられただけだ。
俺は心というものを信用していない。
精神ほど曖昧なものはないからだ。
追い詰められればコロリと気が変わる。
極限状態になれば、精神なんてものは脆弱なものだ。
…今の俺がそうだ。
正面からの艶との殴り合い。
この女は正真正銘の化け物でヒトデナシだ。
俺の拳を頬に叩き込む。
しかし艶は無表情のままカウンターの拳を俺の鼻っ柱に打ちつけた。
怯まず顎に拳打。
それでも艶は動きさえ止めずに、俺のこめかみにフルスイングの拳を見舞った。