闇夜の数だけエゴはある
儚
離れの部屋で起きていた気配の衝突が止む。
「決着がついたようだねえ」
軽く息を荒げるしとね。
汗ばんだ表情が、あの女だと淫らに映るのはなぜだろう。
…しとねが仕掛けてきてから二十分ほど経過しただろうか。
お互いにまだ決定打を与えられずにいた。
しとねの能力は野須平誠と同じ『旋』。
梓の『無影の蹴撃』のように、消失する打撃を繰り出してくる。
目新しさは感じないものの、その梓の『無影の蹴撃』に敗北した経験のある私としては十分な脅威だった。
もっとも、しとねはまだ遊んでいる。
野須平家当主の実力がこの程度であるとは思えない。
そして、しとねが梓以下の実力とも思えない。
彼女は私を仕留める事なく、嬲って遊んでいるのだ。
「決着がついたようだねえ」
軽く息を荒げるしとね。
汗ばんだ表情が、あの女だと淫らに映るのはなぜだろう。
…しとねが仕掛けてきてから二十分ほど経過しただろうか。
お互いにまだ決定打を与えられずにいた。
しとねの能力は野須平誠と同じ『旋』。
梓の『無影の蹴撃』のように、消失する打撃を繰り出してくる。
目新しさは感じないものの、その梓の『無影の蹴撃』に敗北した経験のある私としては十分な脅威だった。
もっとも、しとねはまだ遊んでいる。
野須平家当主の実力がこの程度であるとは思えない。
そして、しとねが梓以下の実力とも思えない。
彼女は私を仕留める事なく、嬲って遊んでいるのだ。