闇夜の数だけエゴはある
一歩。
梓が部屋の中に入る。
それだけで、しとねは私から離れて距離を置いた。
一見すると、しとねが梓を恐れているかのように見える。
…事実そうなのかもしれない。
同系統の能力の使い手である二人。
『旋』も『飛翔』も、間合いや軌道が掴みにくい攻撃だ。
蹴りである分、梓の方が射程は広いかもしれない。
距離を置いたしとねの判断は正解と言えた。
「大丈夫?儚様」
「はい…助かりました…」
私は素直にこの場を梓に任せる。
正直、私では本気を出したしとねには対抗できない。
私の出る幕があるとしたら、梓が窮地に立たされたその時のみ。
その時まで、私はこれから始まる闘争の行く末を見守る必要があった。
梓が部屋の中に入る。
それだけで、しとねは私から離れて距離を置いた。
一見すると、しとねが梓を恐れているかのように見える。
…事実そうなのかもしれない。
同系統の能力の使い手である二人。
『旋』も『飛翔』も、間合いや軌道が掴みにくい攻撃だ。
蹴りである分、梓の方が射程は広いかもしれない。
距離を置いたしとねの判断は正解と言えた。
「大丈夫?儚様」
「はい…助かりました…」
私は素直にこの場を梓に任せる。
正直、私では本気を出したしとねには対抗できない。
私の出る幕があるとしたら、梓が窮地に立たされたその時のみ。
その時まで、私はこれから始まる闘争の行く末を見守る必要があった。