闇夜の数だけエゴはある
前傾姿勢。

まさしく獣の如き戦闘態勢で、青年は僕と対峙する。

「スマートじゃないな」

対する僕は構えもしないまま、乱れた前髪を掻き揚げた。

「僕らの祖先…吸血鬼は人外の中でも高貴な血筋だ…同じ闘争をするにしても、せめて最初は紳士的にいきたいじゃないか…名前くらいいいだろう?」

「……」

青年は構えを解かないまま。

「佐久間武羅人。この屋敷で杖縁梓に…」

馬鹿正直に名前と素性を明かし。

「ぐっ!」

直後僕の『攻撃』に顔面を打たれてのけ反った!

「はははははは!」

僕は嘲笑する。

「バァカが!何真に受けて名乗ってやがる!」

僕は立て続けに青年…佐久間武羅人を滅多打ちにした。

「雑種の畜生如きが!貴様の名前なんぞ興味もなければ覚える気もないんだよ、蛆虫!」

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