ヤンキー学校!?
「俺、女いるし」

龍はそういって、あたしを引き寄せた。

「え・・・?」

「森野 桃、こいつ俺の女」

「ちょっ!」

あたしは反論しようとしたけど、
龍の視線で分かった。

話合わせろって・・・・・。

冗談だってことが身にしみた・・・。

「うそでしょ・・・?言ったじゃない・・・
あのとき、俺お前だけだからって・・・」

夕菜は今にも泣き出しそうだ・・・。

「それを聞かなかったのは、おまえだろ?」

「それには、だから理由があったの」

「今さらおせぇよ・・・」

あたしは、ただうつむくだけだった。

ぱっと顔をあげると、

そこには、涙をためて、
あたしを睨む夕菜の姿・・・。


あたしは、背筋が凍った・・・。


「んじゃ、いくわ」

龍は、あたしをつれて、廊下に出た。

龍の顔は・・・・
切なそうだった・・・・。


ねえ・・・なんで?
なんでそんな顔してるの・・?

あたしの前では見せない顔・・・。

ねえ・・好きならそう言えば良かったじゃん・・・。

どうして・・?

龍がわからないよ・・・。


< 29 / 45 >

この作品をシェア

pagetop