親友、寺に消ゆ

着いた先

連れてこられた場所はサッカーコートくらいありそうな広い敷地のお寺だった。

見渡す限り、辺り一面緑が広がっていた。

セミや他の虫たちの合唱が耳をつんざく程うるさかった。

木立が乱立する場所で鳴る、夏特有のBGMはボリュームが壊れているようだ。

敷地に少し入った所にある寺院に目をむけると真ん中に五段位の階段がかけられている。

その階段を上がった所には縁側と欄干が寺院をぐるりと一周囲んでいるようだ。

境内はほとんど木で激しく覆われている。寺院が小ぶりなのに対して境内は広大なのだ。

辺りを見回しているとこっちこっちとユッキが呼ぶのでユッキの後に付いて行った。

そこは寺院の真裏だった。

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