親友、寺に消ゆ
それでも執念で縄をほどいた。それから分断した竹を別々の所に投げ捨てた。

私は多少の罪悪感を感じながらも五つ全て見つけられてしまうなら集まらなければいいと思ったのだ。

ふと空を見上げると日が傾いていてここに入った時以上に暗くなっている事に気づいた。

さっきまで遠くに見えていたはずの十字架置き場も見えづらくなってきているのだ。

あれからどれくらい時間が経ったのだろうか。皆心配しているんじゃないかと思った。

それから何食わぬ顔で十字架置き場に戻るとむこうからユッキが十字架を一つ持って歩いてくる姿が見えた。

やはり見付けられてしまった。結局全てみつけられてしまったのだ。

そばまで来たユッキは十字架を重ねるとそろった…と言った。

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