親友、寺に消ゆ
私はどこにむかって走っているのかも分からずにただユッキから必死に逃げた。

ユッキが化け物の表情を顔に貼りつけたまま無言で追ってくるからだ。

私は精一杯逃げた。この林の中をただぐるぐる回ってるだけかも知れなかった。だが逃げるしかなかった。

普段では絶対ユッキの足にかなうはずもなかったが死に物狂いの私はいつも以上の力を発揮していた。

次第にユッキとの距離は離れていき、もう走れないと諦めて立ち止まろうとした時、寺院が見えた。

私は息も絶え絶え寺院の正面まで来ると…意識が遠のいて行った。

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