親友、寺に消ゆ
あれから心の片隅に常にユッキの存在を置いて今に至っている。

未だにユッキが見つかったという知らせはない。

化け物に取り憑かれたのかは分からないがユッキはどこに行ってしまったのだろうか?

ソファの上で伸びをしながら小腹が空いたなと思い、何かあったかなと立ち上がった時、玄関のドアポストに何かが投函された音がした。

こんな時間に?と思い部屋の明かりを点け、玄関まで行ってドアポストを開けると一通のハガキだった。

差出人は不明の上、消印すらない。

たちの悪いイタズラかなとハガキを裏返した時、私の背中は凍りついた。

  誕生日会のお報せ。

おいしい食べ物と色んな遊びで盛り上がろう!

    藤田裕紀。

ユッキからだった…。

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