親友、寺に消ゆ

ファミコンの電源が入れられると皆が歓声を上げた。

それは一大ブームを巻き起こした、外国の配管工マリオが国の姫を救い出す為に奮闘する横スクロールアクションゲームだった。

マリオが敵に当たったり穴に落ちてやられる度にコントローラーは隣の子の手に渡り、マリオの快進撃はどんどん進んで行った。

例にもれず、私もそれに夢中になっていた。

最後の大ボス、宿敵クッパを倒すのは誰だ誰だと異様な盛り上がりを見せ、興奮のるつぼの中クッパを火の海へと沈めたのはやはり持ち主のユッキだった。

歓声が上がり、ユッキは初めてクリアできた。皆のおかげだと言った。