親友、寺に消ゆ
何人かが回転中の縄に出たり入ったりを繰り返していると、ユッキが突然、皆に何か言葉をかけている様だった。

大縄跳びは一時中断している。

それからユッキはそこを離れて家の中へ入って行った。

大縄跳びは何事もなかったかのように再開された。

少し経って家を出てきたユッキは私の方に近寄ってきて、私にだけ見せたい物がある。今からそこに行こうと言ってきたのだ。

大縄跳びをやっていないのは私とそばにいるユッキだけである。

ユッキの話しに興味をひかれた私は丁度いいと思い、行こう!と言うとユッキと二人で駆け出し、その場を後にした。

走りながら一度だけ振り返ってみると皆は大縄跳びに夢中で気付いた様子はなかった。

ユッキの後に一生懸命付いて行くと、ここだよとユッキが言った。

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