えんどう豆のゆくえ
「ねえ? 花沢さん」
いつもの優花たちを見ている私達にしてみれば、芝居がかってしか聞こえないような猫なで声でかずみが話しかける。
肩を縮こまらせて小さくなっていた美姫は、ばっと顔を上げた。話しかけてくれたのがよっぽど嬉しかったのだろう。
そのきらきら光る目が痛々しくて、みんなが溜息を吐いた。陰険ないじめを知らない男子たちは、ドラマでも見るように興味津々で様子を伺い、女子たちではトイレに避難する子が続出した。
「そのキャミ可愛いやん。どこで買ったん?」
尋問でもするかのように、秋奈が美姫の顔を覗き込む。