えんどう豆のゆくえ
追憶
 まだ私達四人の結束が固かった、小6の夏。

 朝学校に行くと、見慣れない机が置いてあった。

 今器具倉庫から取ってきました、と自己主張しているような、誰かの相合傘の落書きがそのままにしてある机。

 すぐに私達は事を悟り、教室に入ってきた担任の先生に食いつくようにして走り寄った。


「なあ先生、転校生来るんやろ? 」

「女子? 男子 ?私女子がええなあ」

「えー、おれ男子がええわ。サッカーチーム入ってもらうねん」

「誰が入るんよ、あんたのチームなんか」


話の逸れる子有り、鋭いところをつく子有り。

 そんな生徒を見た先生は、定番の「転校生を紹介します、入ってきなさい」をやるのが面倒臭くなったらしく、いきなり転校生を手招きした。

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