極悪非道の俺様野郎
「きみ、転校生?」
「え・・・はい・・・」
そして、背のちっこい子が喋りかけてきた。
「あはは。転校初日で和哉に目ぇつけられるなんて可哀想に」
「は・・・はあ・・・」
「早くどけよ・・・」
「い・・・言われなくてもどくよっ」
私は立ち上がったそのときだった。
和哉と名乗る男が腕を上げて私を殴ろうとしてきた。
「・・・っ!?」
その衝撃を私は目を瞑りながら待った。
1分・・・2分・・・と待っても痛みが無かったので、恐る恐る目を開けてみた。
「え・・・?」
目の前には和哉の腕を押さえている黒髪の男の姿があった。
「・・・っ宏哉、てめぇ・・・。邪魔する気か?」
「ん~・・・。俺的に女の子に正拳はどうかと思うんだけど・・・?」
「ふんっ!!」
和哉は手を振り払い、機嫌がそれ以上に悪くなった。
ペタン
私はびっくりしたのか、椅子にまた座り込んでしまった。