極悪非道の俺様野郎
逆戻り
ガッ
「ふざけんな。ふざけんな!!!」
「ちょっ・・・。佐奈ちゃん、ギブギブ」
「うあっ!奏兄ちゃん!」
「佐奈ちゃん!手離してっ!折れる折れる!」
「ごめんごめんっ。考え事してて・・・」
私は従兄弟の奏兄ちゃんに柔道を教えてもらっていた。
そして、いつの間にか私が奏兄ちゃんを押さえ込んでいた。
「こら!佐奈ちゃん!柔道は遊びじゃないんだから、集中してくれないと困るよ」
「だからごめんって言ってんじゃんか!!」
「口の利き方、どうにかして来いよ・・・」
「っるさいなぁ!こっちの方が使いやすいんだってば!」
「佐奈ちゃん・・・。男勝ってるね・・・」
奏兄ちゃんはしつこい。
でも私のたった1人の従兄弟だから、そこは許す。