極悪非道の俺様野郎
「佐奈ちゃんさぁ・・・。そろそろ、素直になったら?」
(は?私が素直じゃない?)
「はぁ?私、超素直じゃんかあ。アイツと一緒にすんな」
「ほーら。そーゆーとこ」
「・・・っ」
「言ってみな?俺だけに」
(好きだよ。当たり前じゃん・・・)
私は奏兄ちゃんにほんとの気持ちを言った。
「好きに決まってんじゃんかぁ・・・。好きだから、こんなに悩んで、こんなに苦しんでるんだよぉっ・・・」
奏兄ちゃんは私の話をうんうんと言いながら聞いてくれた。
「だからぁ・・・。別れよなんて言いたくなかったよぉ。でもね、あん時の私にはそうするしかなかったの~」
(戻りたいよ・・・。あの時に。戻れるのなら何にもいらない)