未送信めーる
#07 雪が降れば…
放課後。
誰もいない教室に,私たちはいた。
「タケと恵,今日部活ないの??」
私は,だいぶタケと素直に話せるようになった。
…と,思う。
「おぅ。今日顧問いねぇしグラウンド使えねぇから」
「そうなんだ」
修学旅行以来,私たち四人は一緒に居ることが多くなった。
今も,何をするわけでもなく…
ただ,私の机に集まって喋っているだけ。
私は,この時間がたまらなく好きだった。
大好きなタケと,一緒にいれたから。
「あっ!!見て!?雪!!!」
突然,明乃が叫んだ。
窓の外を見ると…
雪。
白くて小さな雪が,空から舞い降りてきた。
「きれーい…」
「そう言えば,もうすぐクリスマスだな」
「梓ー!クリスマスは二人でデートしようね!?」
「もちろん!」
「あー…雪を見ると初恋を思い出しちゃうなー」
明乃が頬杖をついたまま呟いた。
「えっ!?明乃,初恋の思い出とかあるの!?」
「あたりまえじゃーん」
「俺も初恋は切なかったなー。恵も初恋あっただろ??」
「まぁな…」
え…何この雰囲気。
みんな,しみじみとしちゃって…