未送信めーる
#01 はじめまして
新学期が始まって,一週間。
新しいクラス
新しい先生
新しい友だち
新しい恋
何もかもが新しくて,毎日がキラキラ輝く。
『春』を,一言で言うとこんな感じ。
「おはよぉ梓ー!!」
「アズーおはよんっ」
「ちーっす」
一人で席に座っていると,クラスの目立つグループに属している子が声をかけてくる。
まぁ,一般に言う『ギャル』。
「おはよう」
私はニコリと微笑んで朝の挨拶を交わした。
それにしても...
中学生で受験の年だと言うのに,そんなカッコでいいのか??
と,つっこみたくなる丈のスカート。
校則としては黒が基本のベストは,茶色や白,灰色にピンク。
なぜ私がこんな子たちに声をかけられるか,と言うと...
ハッキリ言って,私は外見が派手。
別にスカートは常識的な長さだし,髪だって校則通りに結わいている。
でも,背はすらっと伸びているし,足も細くて長い。
顔立ちは日本人離れのハーフ顔。
(もちろん純日本人)
髪は,地毛が茶色っぽいから染めてる子と大して変わらない。
こんな容姿の私に派手めの子が仲間意識をしてくるので,私はギャルの友だちが多い。
でも,根は真面目。
頭だって悪くない。
先生からの信頼も,厚い。